あなたがくれたもの
それからしばらくして、照彦は正式に離婚した
と七海から連絡を貰った数日後、陽菜は久しぶりに真面目に授業を受けていた。
すると廊下をバタバタと走って来る足音が聞こえて来たが、陽菜は気にもせずノートを取っていた。
ガラッとドアの開く音共に名前を呼ばれ、ドアに視線を向ければ坂井先生が息を切らしていた。
『陽菜…』
「…私?…何か?」
この学校で私のことを名前で呼ぶ先生は、坂井先生だけだった。
『直ぐに荷物をまとめて付いて来いっ』
わけのわからないまま、陽菜はバックに荷物を入れて、坂井先生の元に行き、後ろを付いて行った。
『おじいさんが、病院に運ばれたと連絡が入った』
「…えっ、おじいちゃんがっ…」