あなたがくれたもの
どの位の時間がたったのだろう?
窓の外はすっかり暗くなっていた。
「てっちゃん、遅いから帰って良いよ…」
『陽菜…少し外で話さないか?』
ICUを出て、待合室に行くと、照彦は自販機で缶珈琲を2本買って、陽菜の隣に座った。
『ブラックで良かったか?』
「うん、ありがとう」
『陽菜、おじいさんがこんな時になんだけど、俺は陽菜と生きて行きたい。陽菜じゃなきゃ、駄目なんだ。陽菜にとっておじいさんは大切な家族なら、俺にも大切な家族だ。一緒に居ても良いか?』
「…てっちゃん、ありがとう。今の私には、てっちゃんしか頼れる人がいない。でも、仕事はちゃんとして…」
『三日間休みだから大丈夫。陽菜、顔色悪いぞ。大丈夫か?』
誰が見てもわかるくらい陽菜の顔色は、悪かった。
「私ね、昨日まで喘息の発作が出てたの。本当なら、休んでいたかったけど、おじちゃんに心配かけたくないから、学校行ったの。ちょっと、体が怠い…」
陽菜がそう言うと、照彦は陽菜の体を引き寄せ、横にさせた。