あなたがくれたもの
『あなたは?』
「ご挨拶が遅れて申し訳ありません。陽菜さんとお付きあいしている、照彦と言います」
『陽菜も、御姉さんにそっくりになったわね』
「私のこと、悪く言うのは構いません。母やてっちゃんを悪く言うのは止めて下さい」
「陽菜、これおじいさんから」
照彦は陽菜に封筒を渡した。
そこには〘遺言書〙と書かれていた。
「皆さんの前で開けましょう」
陽菜は照彦と叔母を連れて、居間に向かった。
「すいません、少しお時間下さい。おじちゃんからの遺言書を伝えたいので」
そう言うと、渋々みんなは座りだした。