2回目の恋



「なんかごめんな」



「いや、浩太は悪くないよ。
実際私も気になってたし」



せっかくの旅行なんだから、こんなでつまらなくなるなんて絶対嫌だ。



「ほ、ほら。海で遊ぼうよ!
どっちが海まで着くのが早いか、勝負しようよ!」



「いいよ」



「なんか恋人みたいだね(笑)
じゃあ、よーいどん!」



「なあ夏海」



「ん?ほら浩太走らないと私に負けるよ?」



「夏海が好きだよ」



「え...?」



いつもふざけて告白してくる浩太が、



今日はいつもと違って真剣な顔で言うから



「...ごめん急に。返事はいつでもいいから」



走ってく浩太の後ろ姿を



私は何も言えずただ見続けるだけだった。



私も浩太も



届くことのない片思い。



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