星月夜
プラネタリウム
入学してすぐ行なわれたオリエンテーションという名の課外活動。私達一年生はプラネタリウムに行くことになった。
初めて秀星と話したのは、その時。
ひょんなきっかけで仲良くなった。
それぞれ別の友達と行動していた秀星と私は、混み合うプラネタリウムの場内でたまたま座席が隣同士になった。
その時、なるべく彼の方を見ないようにしようとしていたら、軽く手が触れ合ってしまった。
「ご、ごめんっ」
謝り、彼に触れてしまった方の手をサッと引っ込める。
おかしいな。このことは分かってた。恥ずかしいのであえて手に触れないようにしていたのに、当たってしまった。
驚いたような顔で、だけど明るく、秀星は私を見つめ言った。
「ううん。こっちもごめんな。そういえば初めてしゃべるな。入学してけっこう経つのに」
「そうだね。でも、そんなに経った?」
「あくまで俺の感覚だけど。長く感じたんだよ。月海とはクラスも学科も同じなのに全くしゃべらなかったから」