星月夜
八十八夜


 プラネタリウムの投映時間が終わると、秀星と私は別行動することになった。

 自由に動ける課外活動。同じクラスの女友達・美羽と、昼ご飯を食べにプラネタリウム内の軽食屋へ入った。

 他のクラスの生徒達もいるのでかなり混んでいる。

 当時と同じく、美羽とは入学初日に仲良くなった。さっきのプラネタリウムも、彼女は秀星とは反対側の隣で一緒に見ていた。

 当然、美羽は私と秀星が話していたことにも気付いていた。

「さっき、秀星とめっちゃしゃべってたね」

「うん、なんか流れで」

「よかったね」

「よかった?」

 美羽は、一人何かに納得したようにウンウンとうなずく。

「だって、秀星って前々から月海のこと気にしてたっぽかったからさ」

「え?」

 美羽の発言にけっこう動揺した。

 秀星に名前を呼ばれた時のようにドキドキと胸が鳴る。

「そんな、それはないよ。たまたま隣の席になっただけで。手が触れたから謝って、それだけでっ」

「えー! 手!? なんかあるよそれ〜。秀星わざと触ってきたんじゃない?」

 意味ありげにニヤニヤしてくる美羽に、ビシッと言った。

「そんなことしないよ秀星はっ」

「そういうことにしとく〜」

「もう……!」
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