星月夜
美羽は、中学の頃は周りにいなかったタイプの子だ。
恋愛に関する話が大好きで、今も中学の頃から付き合っている彼氏がいる。高校は離れたみたいだけど、毎日電話やメールで連絡を取り合うくらい仲が良い。
初恋が片想いに終わった私にとって、美羽のことが当時は少しうらやましくもあった。
「ねえ、後でお土産見てこ?」
「うん、いいよ。彼氏の……?」
「うん!」
うなずき、満面の笑みを浮かべる美羽は本当に可愛い。彼氏のこと本当に好きなんだな。
そんな風に思い当時はほのぼのした気分で一緒にお土産を選んでいたけど、未来を知っている今は複雑な気分にしかならなかった。
なぜなら、美羽はこの後ひどい振られ方をするから……。
「月海も好きな人できたら教えてね? 全力で協力するから!」
「ありがと」
「アタシの彼氏と月海の彼氏、4人で遊びに行こ!」
「う、うん……。楽しそうだね」
そんな日、来るかな?
初恋ですっかり自信を無くした。また誰かを好きになるなんて無理な気がしていた。この頃はーー。
でも、美羽の気分を壊したくなくて話を合わせた。