御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

 ブランデーのせいだけではないだろう。

 何も考えられなくなるような情熱的なキスに流されて、気がつけばソファーに押し倒されていた。


「ブランデー、こぼれちゃいますよ……」


 相変わらずグラス片手の雪成である。
 もう一方の手で、美月の着ているワンピースのファスナーを下ろし、素肌に触れる。危なっかしくて仕方がないのだ。


「少し不自由な方が、じれったくて燃える」


 そう囁く雪成の目は熱く輝き、声は情熱的にかすれていた。


「もう……」


 呆れたように笑う美月だが、雪成のこういう少年めいたところは、普段圧倒的に大人に見える分、可愛いと思ってしまう。


(でも、もうこれで終わりにしなきゃ……。一人でちゃんと立てるようにならなきゃ……。)


 雪成から与えられる甘やかな喜びに浸りながら、美月は固く目を閉じた。


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