御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
懐かしさを覚えながら、美月はスマホ片手にリビングからガラス戸を開けて外に出る。
「今日はすごく星が綺麗だね」
『そうかぁ? いつもこんなもんだろ。お前、たった三ヶ月でトーキョーに慣らされちゃったんじゃねぇの』
からかうような言葉に、美月はクスリと笑う。
「そんなことないよ」
ヴィラの外にはプールとジャグジーが設置してある。
プールには一応水が張ってあるが、この時期ではさすがに入れない。
だが海風で揺れる水の表面に、月と星のきらめきが映り込む姿は幻想的で、まるで夢のようだった。
美月はプールサイドのウッドデッキに腰を下ろす。
「しのぶちゃん、誰かから聞いて電話してきた?」
『おうおう、トモだよ。まーたっ、事後報告だけど、かなり笑ったから許してやる』
「うん……うん? 笑ったの?」