御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
正直それは、思ってもみない反応だった。
「そりゃ笑うだろ。翠子なんて倒れそうなくらい顔真っ赤にして怒ってたってよ。マジでザマーだわ」
「そ、そんなに……?」
違う意味で今後が怖くなる美月である。
『で、実際いつからなんだよ、その【KOTAKA】の御曹司とは』
「……ここに来てから」
『ええーーー! マジかよ! なかなか豪快だな、美月。石橋を叩いても渡らないお前らしくないな!』
「まぁ、うん……そうだよね。だから先のことは何もわからないよ」
いくら親友のしのぶとはいえ、副社長とのことを、『今だけの恋人ごっこです』と告げるのは勇気がいった。
だから遠巻きに、いつまで続くかはわからないと伝えたつもりだった。
『そうは言っても、たぶんあっという間に街じゅうに広まるぞ。なんせすんげー玉の輿じゃん』