御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
とりあえず地元を離れたくて、仕事がありそうな東京に出た。
貯金はあったが、とにかく働きたかった。気が紛れればなんでもいいと思ったのだ。
そして運良く【KOTAKA】の副社長秘書に採用され、日々忙しく働いていくうちに、気がつけばこの仕事がとても好きになっていたのだ。
「……ご迷惑……かけませんからっ……」
どうしても仕事は辞めたくない。続けたい。
美月の目に涙が浮かぶ。
そこでようやく、雪成は怪訝そうに眉を寄せ、美月の頬に手を置いて顔を覗き込んだ。
「……違う。そうじゃない」
「え?」
「お前はもう俺の女だ。可愛がっている女を仕事中、秘書として側に置くのは俺の主義に反する、それだけだ」
「……おん、な?」
「そうだ。言ったろう。うんと甘やかして、可愛がってやると。だから働く必要などない」
美月は必死に散らかっていく頭を整理するが、やはり雪成の言っている意味がよくわからない。