御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

「美月」


 雪成の指が頬を撫で、唇に触れ、優しく撫でる。


「美月……お前の望みはなんだって叶えてやる。欲しいものがあればなんでも言えばいい。大事にする。夢のような生活を送らせてやる」


 雪成はその切れ長の目を細め、熱っぽくささやく。


「俺はお前を、今後も手放す気などないんだ」


 雪成の眼差しは、彼の背中の向こうに見える月よりも星よりも強く輝いていた。


「本気でそんなこと、言ってるんですか……」


 明後日から、また以前のように、副社長と秘書という形で肩を並べたかった。

 たった今、その他愛もない日常が遠くなっていくのを感じながらも、嘘だと笑って欲しかった。


「本気だ。お前に初めてキスした時にも言っただろう。ふざけてなどいない……真面目にやっていると」



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