御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
そしてそのまま、覆い被さるように雪成は美月を抱きしめながら、口付ける。
「……美月」
「ん、あっ……」
恋なんてしたくない……。
いつか終わる恋に怯えたくなんかない……。
けれど雪成の声に、手に、唇に、もはや条件反射のように美月の体と心はときめいてしまう。
一時の感情と片付けられない、炎のようなものが、美月の胸の奥にくすぶり始めているのだ。
「大丈夫だ。安心していい。何も不安に思うことなどない。お前はただ俺に愛されていればいい……」
ウッドデッキの上に押し倒されて、優しく触れられながら、それでも同時に何かが違うと、美月の心は叫んでいた。
(安心なんか……出来るはずない。つまらない私なんか、いつか捨てられるに決まってる……。)