御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
「妬いちゃう?」
「えっ!?」
まさかの問いかけに振り返ると、ハジメがフフフと笑っている。
「あ、いえ、その……雪成さん、どこにいってもモテるので……そういうのは見てるので……」
そうなのだ。
秘書としてあちこちの懇親会やパーティに付き添っている美月からしたら、見慣れた光景ではあるのだ。
だがなぜか、胸がざわつく。
「それだけじゃないって顔してるよ」
「……そう、ですね」
ハジメの観察眼に笑うしかない。
「雪成さんは半分仕事って言ってましたけど、皆さん幼馴染で……考えてみたら、仕事の付き合いと同じわけではないですよね」
そうやって自分に言い聞かせていた美月だが、ふと、思い出した。
「そういえば山邑さん“大丈夫?”って聞きましたね」
美月の頭の中でパチリとピースがはまった。
「彼女のことですか?」
「……ユキは何か言ってた?」