御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

 そしてさすがアパレル重役というべきか、センスのいい髪型から磨き上げられた靴のつま先まで、どこからどこを見ても、ファッション的に隙がなく、雑誌から抜け出してきたようなイケメンモデル風の良輔に、美月は感心する。

 本当にこの集まりは、雪成やハジメ含めて上流階級の人間ばかりなんだと、改めて思い知らされた。


「森田と申します」
「“みっちゃん”って、ハジメは呼んでたけど。俺にも名前教えてくれないかな」


 良輔の見た目は、愛嬌のあるおぼっちゃまといった感じである。

 美月の素っ気ない素振りすら楽しんでいる、そんな口ぶりだった。


(少し大人気なかったかな……。)


 ここにいるのは雪成やハジメの幼馴染である。ヤケになって、感じ悪く振る舞うのは良くないと、考え直した。


「美月です」
「美しい月と書いて?」
「はい」
「君に合ってるな」
「ありがとうございます」

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