御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

 好きかどうか問われるとは思っていなかった。


「あの……雪成さんは……優しいですから」


 なんと言っていいか分からず、美月は曖昧に答える。
 それを聞いて良輔は笑った。


「東京の男は、俺含めみんな優しいからダメなんじゃなかった?」
「……確かにそうでしたね」


 だが、男たちの表面的な優しさを咎めながら、それに救われているという自覚が美月にはある。


 否定も肯定もしない美月に、
「ーー白黒はっきりつけられないってことだな」
と、良輔は肩をすくめた。

 
(白黒はっきり……って、私が雪成さんをどう思ってるかってこと? そんなの……。)


 胸がざわつく。


(好き……?)


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