御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

「今日は体調が悪かったんでしょうか」
「うーん……天気が崩れたから、気分悪くなっちゃったんだと思うよ。元々丈夫なタチではないんだ。ちっちゃい頃から病弱でさ。しょっちゅう倒れたりしてたから……」
「そう、なんですか」


 その立ち振る舞いから、太陽のように明るく、天真爛漫で朗らかな人だと思っていたが、そんな単純な話ではないようだ。


「だからよくもまぁ、ニューヨークでやっていけてるよとは思うけど」
「……強いんですね」
「まぁ、確かに女の人ってそういう“強さ”があるね」


 自分にはないものを持っていると、そんなつもりで口にしたのだが、ハジメはそうはとらなかったようだ。


(同じ女でも、菜穂さんと私じゃ天と地の差があるのに……。)


「それにしてもユキ、遅いなぁ。引き止められてんのかなぁ……」


 湯飲みのお茶を飲み干し、ハジメはリラックスした様子でごろりと畳の上に横になった。


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