御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

 だが雪成と菜穂の強い結びつきをどうしても感じてしまう。

 ここにいるだけで、刃物で薄く自分の心を削り取られていくような気がする。


(私がどうしたらいいかなんて、雪成さんの気持ちを確かめないと、答えが出せないことなんてわかっている。でも、はっきり答えを出されるのが怖い……! もう、優しくしない、愛する価値がないと言われるのが、怖くてたまらない……!)


 正座した膝の上に置いた手をきつく握りしめると、ハジメが畳をゴロゴロと転がって、美月の膝の上に頭を乗せた。


「きゃっ⁉︎」


 驚いたのは美月である。
 いきなりハジメに頭を乗せられたのだ。


「な、な、な、なにするんですか⁉︎」
「男のロマン、膝まくら!」
「そんな元気に宣言されても困りますっ!」


 美月はサッと立ち上がってハジメを畳の上に転がした。


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