御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
「みっちゃん、帰ろうか。また今度、仕切り直そうね」
「……はい」
(また今度……。また今度のその機会に私の居場所はあるんだろうか。)
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マンションに戻ると、日は完全に落ちていた。窓の外には、これぞ東京というべき、夢のように美しい夜景が広がっている。
(たった一日で、いろんなことがありすぎたかも……。)
疲労を覚えてリビングのソファーに座ると、
「悪かったな、疲れただろう」
雪成が隣に腰を下ろし、美月の肩を抱き寄せ、こめかみの辺りにキスをした。
優しさに満ちた、その仕草に、美月の胸の奥は当然のごとく違和感でざわめく。
(相変わらず優しい……。)
そのまま顔を上げ、雪成を見つめる。