御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
なぜ副社長がいきなり笑い始めたのか、美月にはわからなかった。
けれど肩を震わせて笑い続ける副社長の顔を見て、笑うと随分印象が違うんだなぁと、他人事のように思ったのである。
「あのっ……」
副社長が落ち着くのを見計らって、美月は改めて頭を下げた。
「申し訳ございませんっ……」
すると副社長は、
「いや、いきなり笑って悪かったな……」
と、美月に頭を上げさせた。
「だが、タイトスカートやめますには驚いた……」
副社長は目を細めて美月を見つめる。
「……すみません。その、秘書課はフェミニンな方が多いので、つい背伸びをしてしまいました」
ここまで恥をさらけ出したのだから、正直に言ってしまおうと思ったのである。
だがそれがまた副社長のツボを突いたようだ。