御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
助手席に乗り込みながらたずねると、
「いや、終わったとこ。ここ来る前に美月んちに寄って、今日はうちに泊まるって話つけてきたから」
と、準備万端な答えが返ってきた。
しのぶは森田家では絶大な信頼を寄せられているので、もちろん何の問題もない。
「飲むぞ、美月」
親指をピッと立てるしのぶに苦笑する。
「明日おばあちゃんのお見舞いに行くから、ほどほどにお願いします……」
しのぶはアルコールに強く、一度も乱れたことがない。
それに付き合わされる美月は、たいてい途中で意識を失い、どこでもかしこでも寝てしまうのである。
もちろんしのぶが一緒にいるので、安心ではあるのだが。
「うちで飲むんだから、大丈夫だって」
しのぶはへへへと笑って、車のエンジンをかけた。
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