御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

「でも……本当は、あんな言い方するつもりなかったんだ」
「……え?」


『ずっと前から、お前に愛情はなかった』

“あんな言い方”というのは、もちろん滉一が美月を振った時の台詞だろう。
 だが、滉一のそんなつもりはなかったという発言はひっかかった。

 滉一のあの言葉によって、美月はすっかり自分に自信をなくしてしまったのだから。


「どういうこと……どんなつもり、だったの?」


 想像していなかった展開に、声が震えた。


「言い訳するつもりじゃない……いや、言い訳にしかならないけど……美月に嫌われたくなくて、あんな言い方しか、出来なかった……」


 そして滉一はベンチから立ち上がると、美月に深々と頭を下げた。


「ごめん。去年、秋頃……浮気した」
「……っ……そう……うん」


 いきなりの告白に、美月は息を呑んだが、翠子の存在からして、それは想像の範囲内である。
 だが滉一は溜め込んでいたいろんなものを吐き出すかのように、言葉を続ける。



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