御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

「……美月」


 そして、滉一と入れ違いにしのぶが姿を現し、隣に腰を下ろす。


「すっきりしたか?」
「うん」


 美月はうなずく。


「滉一くん、秋には結婚するんだって」
「へー、モノ好きだな。私が男ならあんな女絶対無理」
「好きなんだよ。きっかけが何であれ……」


 美人で気が強くて、実家が裕福で。
 少し苦手なタイプだと思ったけれど、それはあくまでも彼女の一面で。
 滉一しか知らない彼女の魅力があるのだ。


 思えば自分は、八年前からずっと、滉一に甘えきりだった。
 もちろん滉一がそれを望んだのもあるけれど、いざという時に、滉一が弱みを見せられない存在になっていたのかもしれない。


「きっかけが何であれ……か」


 しのぶはウンウンとうなずいた。



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