御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
約束通り、ハジメは十五分で戻ってきた。
そして駐車場に停めていた赤いGT-Rの助手席に美月を乗せ、
「うちでいいよね」
と、山邑リゾートへと向かった。
リゾートは土曜日ということもあってか、人が多い。
楽しそうな恋人たちや、家族連れの客たちを横目で見ながら、ハジメの後をついて本館の二階へと階段を登る。
通された部屋はハジメがふだん仕事で使っている執務室らしく、二十畳以上ありそうな広い部屋に、大きなエグゼクティブデスクと応接セットが置いてあった。
ハジメは窓を開け放つと、デスクの上の電話で「なにか冷たいものを二つお願い」と頼み、それから美月とソファーに腰を下ろした。
「山邑さん、乗り物が本当にお好きなんですね」
車の運転がまず楽しそうだし、クルーザーまで所有している。乗り物が相当好きなんだろうなと思い問いかけると、
「そうだね。自分で思い通りに動かせるものは好きかな」
と、うなずいた。