御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
「まぁねぇ……。なんとなく、俺の想像の範囲内で言えることはあるけど……俺がユキの気持ちを勝手に代弁したり、あいつの周囲の状況を君に説明するのは、なんか違うと思うし」
ハジメの言うことはもっともである。
「はい、大丈夫です。自分の気持ちの決着くらい、自分でつけないと……。それでなくても、山邑さんや周囲の人に、いつも助けられてばかりなので」
自分の言葉で、雪成の気持ちを確かめたいと思う。
(でももう、遅いかもしれない……。)
いつものマイナス思考が美月を落ち込ませるが、ふと、滉一の言葉を思い出して、プルプルと首を振った。
(滉一くんがどうこうというのは置いといて、確かにもう少し、物事をシンプルに受け取れたら……とは思うけど。)
「……ねぇ」
「はい?」
顔を上げると同時に、ハジメがポケットから出したスマホをぽちぽちしながら、さらっと口にした。
「もういっそ、俺にしたら?」