御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

(モウイッソオレニシタラ……?)


 一瞬、何を言われたのかわからずポカンとする美月だが、ハジメは持っていたスマホをテーブルの上において、首をかしげてにっこりと微笑む。


「俺、結構お買い得物件だと思うんだけど」
「……ええっ⁉︎」


 そこでようやく、何を言われたのか理解した美月は、驚きすぎてソファーから飛び上がるように立ち上がってしまった。


「俺、秘密もないし、隠し事もしないし、女性関係でもめた事もないし、家はそこそこ裕福だけど、両親共々リベラルで、一度だって跡取りがどうのなんて言われたことないし、結婚も急かされてないし」
「あっ、あのっ……?」


 冗談だ。いつもの冗談に決まっている。

 だが美月がそう認識していても、ハジメは美月にいつものように流させるつもりがないらしい。
 サッと立ち上がって、後ずさろうとする美月の肩に両手を置いて顔を近づけた。


「背も高いし、声もいいし、顔もいいし。性癖は至ってノーマルだけど、望まれればわりと柔軟に対応できるし」

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