御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
「望まれれば柔軟に対応っ……⁉︎」
「ちなみにどういうのが好みかな」
にこりと笑うハジメに、美月はクラクラと眩暈を覚える。
「って、いや、好みとか、そういうんじゃなくて、あのっ……」
これまで散々戯言ばかり言ってきたハジメである。
これも何かの冗談と思いたかったが、ハジメは一向にこの冗談をやめようとしないのだ。
(山邑さん、急にどうしちゃったの!)
美月は肩を掴まれたまま、アワアワしながら後ずさる。
気がつけば壁際まで追い詰められていた。
ハジメは美月の肩から壁に手を移動させると、間髪入れずに足の間に膝を入れ、完全に美月を腕の中に閉じ込める。
「乙女の夢、壁ドンだね」
低めの声でささやかれて、美月の顔は真っ赤になった。