御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

 唇から巡る。
 血が、情熱が、全身を巡る。


 地球が自分の中心に回っているはずもないのに、なぜか、そんな気がした。


 
 その瞬間、美月の心は声にならない声をあげていた。

 この人が好きだと、叫んで、暴れて。
 理性も何もかも、宇宙の果てに飛んで、ただ目の前のこの男が欲しくて、たまらなくなった。


 唇が離れて、それでも視線は絡み合ったまま。


「……あなたが、好き」


 結局、美月の唇からこぼれたのは、シンプルな言葉、それだけで。

 けれどその言葉に、美月は自分の萎縮した心は様々な重圧から解き放たれる。



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