御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
(私に雪成さんを責める権利なんてなかった。私だって、自分の気持ちに向き合わなかった。好きだって本当はわかってたはずなのに、目をそらし続けていた。拒まれるのが怖くて。なんだかんだと理由をつけて、逃げていたんだ。)
澄んだ目から涙があふれ、頬を伝い落ちる。
「他の誰のことも見ないで、私だけを見て……」
(どうなってもいい。たくさん傷ついてもいい。それでもこの思いを伝えたい……。)
両手を雪成の頬に置き、背伸びをしながら口付けたその瞬間。
炎のような目をしたその男は、雷に打たれたように全身を震わせ、強く美月を抱きしめた。
「今回ばかりは、優しくしてもらえるなんて、思うなよ……!」
ベッドに行く暇もなく、そのままソファーにもつれるように倒れこんだ。