御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
「……美月、好きだ」
低い声で雪成がささやく。
「……っ……」
その言葉が嬉しくて、美月は腕を伸ばし雪成の背中に腕を回した。
「私も好きです……嬉しいです……だから本当に、嬉しいです……幸せです」
美月の目からポロポロと涙がこぼれる。
「やっとわかった。いくら心の中でお前を好きだと思っても、聞いてもらわなければただの独り言で……お前の心を掴むことなんて、できないってことに」
雪成は美月の頬の涙を指でそっとぬぐい、まぶたにキスをする。そして決意したように、口を開いた。
「……俺の話を聞いてくれるか?」
漆黒の瞳はまっすぐに、美月を見つめている。
(何を言われてもいい……。ちゃんと現実を受け止める。)
「はい」
美月はしっかりとうなずいた。