御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
「私にとって、雪成さんは完璧な大人でしたよ。いつも余裕があって……」
「……お前に関して俺は終始臆病だったよ」
雪成はクスリと困ったように笑い、そしてテーブルの上のスマホを引き寄せ、美月に一通のメッセージを見せる。
「菜穂に、美月に話すと許可を取ってきた。これは彼女のプライベートなことだから……事前に話せなくて悪かった」
「いいんですか?」
「ああ」
美月はごくりと息を呑み、それからおそるおそる雪成のスマホの画面を覗き込んだ。
【ずっとうるさくつきまとってごめん。
でも入院に手術まで付き合ってくれてありがとう。
おかげさまで経過は良好です。
これで多少、性格に見合った強い心臓になってくれたらいいんだけどね。
手術の不安から、ユキにはたくさん迷惑をかけました。
よりを戻してって、しつこくしてごめん。
それでも友人として励ましてくれて、ユキには感謝しかありません。
やっぱりユキは弱いものを見捨てられない人なんだなって思ったよ。
彼女のことごめんね。
落ち着いたらちゃんと謝る。
ユキからもゴメンって伝えてほしい。
わたしもこれから一人で頑張るから。
ごめんね。】