御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
「……ん、んん……?」
柔らかく温かい舌が、口の中に滑り込んでくる。
「美月……」
かすかにかすれた色気のある声で、名前を呼ばれると美月の頬にピリッと電流が流れる。もはやこれは条件反射のようなものだ。
理性だけが反対をするが、雪成に触れられ名前を呼ばれることに、心と体が喜んでいるのだ。
気がつけば、雪成は持っていたはずのお盆をキッチンの上に乗せている。
当然その手は、美月の背中や腰を這い始めた。
(こ……これはいけないパターン……! ご飯が食べられなくなってしまう!)
雪成は基本付き合いの外食ばかりである。マメに健康診断は受けているが、やはり心配になる。
だから今日は、雪成のために美月なりに一生懸命、あれこれと考えながら作った夕食なのである。