御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

「私はおやつじゃないですよ」
「当然だ。おやつはなくとも生きられるが、美月なしで生きられない」


 真顔である。

 思わぬ雪成の直球ストレートな求愛に、美月の頬が赤くなった。


「……赤くなった」


 雪成はふっと笑って、美月の額にお返しのキスをする。


「そりゃ普通、なりますよ……ドキドキします」


 ずっと上司として側にいた雪成は、確かにたまに軽口をいうような人だとわかっていたのだが、こと恋愛に関しては積極的なそぶりを一切見せなかったので、なんだか美月はそわそわしてしまうのだ。


「そうか。これから先もずっと、俺にドキドキしてくれよ……」


 そして雪成は美月の顔の横に手をついて体を起こすと、ニヤリと笑い眼を細める。

 なんだか嫌な予感に、ゴクリと息を飲む。

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