御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

「……まさか」
「そのまさかだ。食い足りない」
「えっ、あ、あの、んん……っ!」


 お預けした記憶など一度もないのに、もっとよこせという雪成は、かなり腹ペコのようだった。


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「みっちゃん、いつ俺の手の届かないところに行く予定なの?」
「えっ⁉︎」


 手の届かないところとはなんなのか。

 副社長室に入ってすぐ、ハジメが真面目な顔をして謎の問いかけを発する。
 当然意味がわからない美月は首をかしげた。


「……あの、山邑様。いったいなんのことでしょうか」


 時間は夕方の五時である。

 雪成は外出してまだ戻っていない。だがハジメとの面会の予定が入っているのでそろそろ戻ってくるはずだった。


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