御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

 ハジメはどっかりと応接ソファーに座り、美月が置いたお茶をグビッと飲み干した。


「だから、人妻だよ、ひーとーづーまー」
「……人妻。人妻⁉︎ はぁっ⁉︎」


 驚きすぎて美月は素に戻ってしまった。

 それはもちろん、いずれそうなったらいいなと思っている美月だが、《結婚》は今のところまだ現実味がない問題だ。


「そ、そんなの、全く何も決まってないですよ!」
「えっ、そうなの?」


 ハジメはおかしいなぁと首をひねる。


「ユキは俺が主催するパーティーに、基本的に来ない派なんだよね。なぜかってそれは女の人にモテて面倒くさいからなんだけど、みっちゃんと付き合い出したら、彼女同伴だから気兼ねなく来れるじゃん。だから来週の、屋形船花火観覧に誘ったんだけど、あっさり断られちゃってさ。きっとこれはユキの実家に帰ってどうのとか、そんなやつなのかなと」



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