御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

「ん、んんっ……」


 こんなのおかしいと頭の端で冷静な部分が声を上げる。だがそれ以上に、雪成の与える甘やかなキスが、美月から理性を少しずつ奪っていくのだ。


「だ、めっ……」


 壁際に追い詰められて、それでもなんとか雪成の胸を押す。


「どうして」
「どうしてって……だって、こんなことするのってさっきの見たからなんでしょう? 弱ってる私だから何してもいいって思ってるんですかっ……!」
「……美月」


 その瞬間、名前を呼ばれ、抱きすくめられていた。


「何してもいいなんて、思ってない。俺はお前を可愛がりたい、そう思っただけだ」


 雪成の手が美月のバレッタを外し、髪をすく。



< 36 / 323 >

この作品をシェア

pagetop