御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
「今のお前が弱ってるのはよくわかる。だから、俺が甘やかしてやる。うんと甘やかして、お前を愛して、その傷を忘れさせてやる」
副社長が何を言っているのかわからない。
言葉を失う美月の頰を、雪成は優しく指で撫でる。
(優しくしないで……。)
あれほど我慢していた涙がこぼれる。
「やめてください……」
「どうして」
「……優しくされたら、ほだされそうに、なるから……」
手の甲で子供のように頰の涙をこすると、その手首をつかまれる。
どうしたらいいのかと顔を上げると、雪成の唇と舌が、ペロリと美月の涙を拭ってしまった。
驚いた美月を見て、雪成はいたずらっ子のようにクスリと笑う。