御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

 話の流れで、知りたいような知りたくないような、そんな気持ちで尋ねると、
「無垢で、可愛かった」
と、真面目に答えられた。

 当然、顔が熱くなる。


「照れ屋だな、美月は」


 雪成はクックッと肩を揺らして笑い、それから美月の頰を指で挟んで、ムニムニする。


「またそんなことっ……」
「餅みたいで柔らかいんだよなぁ……」


 一夜を共にしてまで【餅】に例えられる自分の頰に少し悲しくなったが、雪成はニコニコと機嫌よく美月を撫でまわす。

 その様子があまりにも無邪気なので、美月はあまり強く出られなってしまうのだ。


「そろそろ起きるか」


 そうやって散々美月に触れた雪成は、ベッドから抜け出してクローゼットから取り出したナイトガウンを裸の上に羽織ると、
「朝食を頼んだから、適当に身支度を整えて降りてくるといい」
と、階下に降りて行った。



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