御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
「だいたいこの人、どこの誰なのよっ! 私たちのこと嫉妬して、森田さんと一緒に、嫌がらせしにくるなんて、最低よっ!」
「翠子ちょっと落ち着いて……って、小鷹さん!?」
「やぁ。先日はどうも」
落ち着いた様子で微笑む雪成と、目を丸くする滉一を見比べ、翠子が怪訝そうに眉をひそめた。
「……知ってる人なの?」
「こないだの商工会議所の懇親会で少しな。東京の……寝具の【KOTAKA】の副社長だよ。嫌がらせなんかするはずないだろ……」
「うそっ……!」
翠子の顔色が変わる。
「森田さんが【KOTAKA】の副社長と付き合えるわけないじゃないっ!」
翠子の叫びに、周囲がざわめく。
だが雪成はそんな声には耳を貸さず、美月から手を離し滉一に一歩近づいた。
「正直に言うと、美月はここに来るべきじゃないかもって迷ってたよ」