御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

「何って……まぁ、若干大人気ない発言をしたことは否めないが、別に大したことじゃない」


 雪成は飄々と肩をすくめてブランデーを口に運ぶ。


「大人気ないって……貴方は責任ある立場なのに……」


 小鷹雪成は【KOTAKA】の副社長である。
 いずれ父親の後を継ぎ、社長になるのだ。

 自分とはすぐに別れたという設定にしたとしても、雪成に迷惑がかかっては本末転倒である。


「大丈夫だ。そんな顔をするな」
「でも……」
「でもじゃない」


 雪成はブランデーグラスを持ったまま、もう一方の腕で美月の腰を抱き寄せた。


「ん……」


 最初、唇に触れるキスはとても優しかった。

 だが何度もついばむようなキスを繰り返すうち、深くなる口付けに、立っていられなくなる。


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