ラブジャンプ!
「お!」
人差し指を唇に当て、ラインの画面を私に見せた。
どうしたんだろう?と思い、スマホを覗くと…。
-----楽屋に居るよ、いつでもどうぞ。
の文字と桜木くんと他の出演者が写った写メまでもが送られていた。
飛び上がりたい気持ちを押さえて、杏と力強く頷きあう。
まわりに声優ファンがたんまりいるこんなところで、桜木くんの話をしようものなら
ちょっとでも情報が欲しいファンは、聞き耳を立てて話を盗み聞きされてしまう。
それを5才にしてわかってる杏は、声優ヲタクの鏡だね。
「さ、行くぞ桃子」
「うん、行こう」
杏と手を繋ぎ、裏口の方へと向かった。
案の定、小さなグループを作った出演者の入り待ちをしてるファンが所々にいた。
私たちが警備員さんのいるゲートへ行く姿を凝視するファンの視線が刺さる。
ナイフのような鋭い視線…
マジで殺されそうな勢いだ…
氏名と桜木くんの身内の者だと(そう言うように桜木くんからのラインからの指示で)
警備員さんに告げると、警備員さんが持っていた書類で私たちの名前を確認し
スタッフパスを手渡してくれた。
そして、別の警備員さんが案内してくれるというので、後ろをついていった。