ラブジャンプ!
電波が悪いせいだろうと思い、場所を移動してもう一度かける
それでも、なり続くコール音…
いてもたってもいれず、杏が向かったトイレへと走りだした。
やっぱり、しっかりしてるとはいえ、杏はまだ子供、一緒に行けばよかった
なにかあったらどうしよう…
不安な気持ちが渦巻くなか、必死にホールの廊下を走る。
杏が向かったと思われるトイレのへと入り、杏の名前を呼ぶが、返事がない。
その周辺を探してみても、姿がみつからない。
なんで…
どこ行ったの?杏…
ホールのどこかにいることを願って、姿を探す。
もしかして、と思い、開演前に行った楽屋に向かった。
ところが、トレーラーは、エンジン音を唸らせ駐車場を出ていくところだった。
え…
ここにもいない
一体どこ行ったの?
全身の力が抜け、崩れるように地面へと座り込んだ。
「あれ?桃子さん?」
頭上から降ってきた声に、視線を移すと、さきほど知り合った人が不思議そうな顔で私を見ていた。