ラブジャンプ!
週の真ん中水曜日
営業から帰ってきた結菜と社食でお昼ご飯を摂っていた。
毎月、第2、4水曜日は、サービスランチが出現し、なんと!!
ランチが通常価格より3割引の日となる。
もともと安い社食なのに、それでまた安くなるなんて利用しない手はない。
「桃子さん、マンション慣れました?」
キレイに一口サイズにカットしたランチのハンバーグを口に入れ、幸せそうな顔の結菜が問いかける。
「あ、うん めっちゃ住みやすいよ。 床もギシギシいわないしー」
そう、前のアパート、大家さんには悪いけど、築25年だったからあちこちガタきてたんだよね。
「結菜も、快適独身マンションライフじゃないの?」
「え? えぇ、まぁ…。」
あ、あれ? なんか歯切れ悪くない?!
ハンバーグを黙々と食べる結菜をじっと見た。
すると…
「桃子、隣、空いてるよな」
え…? は…?
私の下の名前を呼ぶ社員なんていたかな?と強引に隣に座った声の主を見た。
「敏樹!! は? なんでアンタがいんのよっ?!」
サービズランチではなく、今日のおススメランチ(¥800)をガツガツ食べ始める敏樹。
「いいよな、お前、こんなウマい昼飯いつも食ってんのか?」
「そんなワケないでしょ!母子家庭の私が、毎日社食食べてたら、家計に響くでしょ! 今日はサービスランチがあるから食べてたの!」
「だから、なんでアンタがウチの会社にいるわけっ?!」
「あ? 水嶋社長に呼ばれたからだよ。 新しい工場のことでちょっとな…」
敏樹は、これでも1級建築士で、会社経営している社長なのだ。
全然、社長ってカンジじゃないけどね。