ラブジャンプ!

「そうだ! 桃子、わかったぞ!」


結菜は、午後からも外回りがあるからと、食べ終えてすぐに席を立って行ってしまっていた。


「ん? なにがぁ?」


サービスランチを食べ終えて、持参してる水筒のお茶を飲んで一息つく。


「あいつだよ、この前、お前おぶって一緒に帰ってきた、声優?の…うーん…」


名前を出そうと頭をひねる敏樹。


「桜木くんのこと?」


「そうそう! そいつのこと!」


言いたくて堪らないという顔を私に向ける。


「で、なにがわかったのよ?」


やっぱり、どこかの御曹司だったとか? いやいや、有名企業社長の愛人の子だったとか…。


1人、妄想に飛んでしまう。


「そいつ、ひまわり孤児院にいたんだよ」


「ひまわり孤児院て…。おじいちゃんの親友の鍛冶さんが院長の?
私も、小さい頃から年に何度か遊びに行ったりしてるけど…
桜木くんのような子、見たことないなぁ…」


「あぁ…。オレ孤児院の増築とか修繕も頼まれてるから定期的に行ってるんだ。2年くらい前かな、オレが行った時に、そいつが孤児院の子供らと一緒に遊んだり勉強教えたりしてたんだ。

かなり、慣れてる様子だったし、子供らも懐いてたから、昨日今日来たってカンジじゃぁないと思う。」


ふーん…。


桜木くんのバックグラウンドは、全く知らないし、ふとした時に、翳りがある表情するから、それと関係があるのかな…。


一度、桜木くんにチラッと聞いてみようかな…。
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