ラブジャンプ!
桜木くんの部屋は、私たちの部屋の1つ飛んで隣。
ドアの前に立ち、杏と顔を見合わせ頷きあう。
よし…。
通常このマンションのドアは手のひら認証だが、鍵でも開けられるようにしてあるドア。
そっと鍵穴にマスターキーを差込み鍵を開けた。
カチャリと音がしたのを確認しドアを開ける。
「「うわ…」」
杏と同時に声が出た。
なんともいえない、湿った空気の臭い…
部屋の中は暗いし…
廊下を進み、リビングのドアを開けると…
「桜木くん!!!」
「恭介!!」
リビングの床にうつ伏せで桜木くんが倒れていた…
二人で駆け寄り、うつ伏せの桜木くんを仰向けにさせた。
「ちょっ、大丈夫っ?!」
額には、びっしりと汗、意識はあるようで杏の問いかけになんとか答えている。
額に手のひらを当てると、熱い…
「ちょっと! すごい熱っ」
こんなところで、寝させるわけにはいかない。
「杏、寝室運ぶから手伝って!」
部屋のつくりは、ほぼ同じのようで寝室の場所も大方同じと踏んで
桜木くんの脇に両手を差しこみ、まず上半身を起こし、そしてなんとか
私の背中におぶった。