エデン
私は瞼を閉じて、両手で頬杖をついて、うっとりと夢想する。



愛し合う二人。

彼らのためだけに神様によって作られた楽園。


邪魔をするものも、口を出してくる人も、何もない。


たった二人のためだけの世界。



それが、エデン。



素敵。

この部屋のために生まれた言葉みたい。




ねえ、リク。

楽園って、どこにあるのかな。

ずっとずっと遠い、海の向こうかな。



そうかもしれない。

もしかしたら、虹の生まれる場所かもしれない。



虹! 美しい空想だ。



それか、真っ白な小鳥の羽根の中にあるかも。

生まれたばかりの赤ん坊の夢の中かもしれない。

青い薔薇の花芯の奥に隠れていたりして。

その花びらについた夜露にひっそりと隠れているのかもしれない。



リクの言葉はすべて、夢のように美しく、月の光のようにきらきら輝いていた。


リクと一緒にいると、世界のすべてが美しく輝かしく大切に思えてくる。



私の世界を変えてくれたリク。


大好きなリクと、これからずっと一緒にいられるなんて、私はなんて幸せなんだろう。



この幸せがいつまでも続きますように。


いや、続くに決まっている。



だって、名前をつけたんだから。


二人のためのこの部屋に、エデンと名づけたんだから。



だからここは永遠に私たちのもの。


永遠に私たちの楽園。



私とリクは、永遠に一緒にいられるのだ。




< 3 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop