番外編 『N』ー甘味で候うー
10.真夜中の訪問者
やっと寄せ集めていた意識が、机の上の課題からあっという間に散っていった。

こつん、こつん。

『ほら、また!』
窓に何かがぶつかる音が聞こえた。

机から離れ、そっと窓辺に近く。
すると、また確かに、こつん、こつん、と窓を打つ、というより、規則的にノックするような音が聞こえた。

カーテンを開けていいものか、迷っていると、かすかな声が聞こえた。

あたしはしゃっと勢いよくカーテンを引いた。
< 34 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop