空の青はどこまでも蒼く
たくさんの人に囲まれ、その女は俺に全く気付かなかった。
人の波に押され、どう足掻こうが、その女に近づくことすら出来なかった。
「ちょっと、すみません。通して貰えますか?」
そう言って前へ進むも、もみくちゃにされて一向に前に進めない。
主催者であろう、パーカーを羽織っている女に声を掛ける。
「さっき、ミス皇華に選ばれた人に、どうやったら会える?」
「えっ?あなた誰ですか?彼女の知り合い?」
「知り合いってか、彼女に会いたいんだけど。」
俺の言動をその女は不審に思ったかの、そのまま口を閉ざした。
「お願い、教えてください・・・」
「教えられない。彼女、ウチのミス皇華になったんだもの。あなたが誰だかわからにことには教えられない。」
クソッ!
やっと見つけたってのに、やっとこんなに近くに居るってのに、会えねぇのかよ。
人の波を掻き分けて、前へ前へ進もうとしても、人の波に押し返される。
「開けてくれっ!通してくれっ!!亜美―――――!!!」
そう叫んでも、俺の声は喧騒に掻き消され、彼女には届かなかった。
俺が急に飛び出して行ったことに、大誠が驚き、駆け寄って来た。
「おい、将樹。どうしたんだよ?」
「何でもねぇよ。」
「何でもないわけねぇだろ?お前があんなに走ってる姿、俺、今までに見たことねぇよ。」
彼女が大きな輪に囲まれて去って行くのを、俺はただ見詰めるしかなかった。
やっと会えた。
やっと会えたって言うのに、また俺の手から零れ落ちて行く。
けど、彼女の居所がやっと掴めた。
この11年、俺の心にはずっと居続けたのに、会うことが出来なかった彼女。
俺の覚えてる彼女は、いつも俯いてよく泣くヤツだった。
けど、11年を経て、俺の目の前に現れた彼女は、凛としていて、昔の面影が全く見えもしないが、その容貌は昔の彼女そのままだった。
忘れもしない、彼女を。
俺がいくら小さかったからと言って、忘れるはずもない。
人の波に押され、どう足掻こうが、その女に近づくことすら出来なかった。
「ちょっと、すみません。通して貰えますか?」
そう言って前へ進むも、もみくちゃにされて一向に前に進めない。
主催者であろう、パーカーを羽織っている女に声を掛ける。
「さっき、ミス皇華に選ばれた人に、どうやったら会える?」
「えっ?あなた誰ですか?彼女の知り合い?」
「知り合いってか、彼女に会いたいんだけど。」
俺の言動をその女は不審に思ったかの、そのまま口を閉ざした。
「お願い、教えてください・・・」
「教えられない。彼女、ウチのミス皇華になったんだもの。あなたが誰だかわからにことには教えられない。」
クソッ!
やっと見つけたってのに、やっとこんなに近くに居るってのに、会えねぇのかよ。
人の波を掻き分けて、前へ前へ進もうとしても、人の波に押し返される。
「開けてくれっ!通してくれっ!!亜美―――――!!!」
そう叫んでも、俺の声は喧騒に掻き消され、彼女には届かなかった。
俺が急に飛び出して行ったことに、大誠が驚き、駆け寄って来た。
「おい、将樹。どうしたんだよ?」
「何でもねぇよ。」
「何でもないわけねぇだろ?お前があんなに走ってる姿、俺、今までに見たことねぇよ。」
彼女が大きな輪に囲まれて去って行くのを、俺はただ見詰めるしかなかった。
やっと会えた。
やっと会えたって言うのに、また俺の手から零れ落ちて行く。
けど、彼女の居所がやっと掴めた。
この11年、俺の心にはずっと居続けたのに、会うことが出来なかった彼女。
俺の覚えてる彼女は、いつも俯いてよく泣くヤツだった。
けど、11年を経て、俺の目の前に現れた彼女は、凛としていて、昔の面影が全く見えもしないが、その容貌は昔の彼女そのままだった。
忘れもしない、彼女を。
俺がいくら小さかったからと言って、忘れるはずもない。