空の青はどこまでも蒼く
退院祝いにと、有希と祐亮が遊びに行こうと誘ってくれた。
遊びに行く気分ではなかったが、二人には世話になった。
二人には感謝している。
そんな二人の行為を無駄にしたくはなった。




祐亮が迎えに来てくれた車に乗り込む。
先に乗っていた有希が出迎えてくれた。


「おはよ。」
「おはよ、今日は調子は良い?」
「うん、まぁまぁかな。」


退院してからは情けないが食事管理は母にされていた。
有希にも嘘を吐いて食べていなかったから。
会社には2週間の病傷休暇を出していたから、退院後は実家で暮らしていた。


アメリカへ行く前、郊外に住んでいた私達は、帰国後、市内に移り住んでいた。
会社からも程遠くない実家に、引っ越そうかと考えていた。
今の私に、一人は淋しい。
これから先、きっと、彼ほど好きになれる人は出て来ないだろう。


一人は・・・淋しい・・・




「どこ行くの?」
「着いてからのお楽しみ。」



前にも、こんなやり取りがあったな、なんて考えながら、車の揺れに身を任せる。



程なくして、車は止まった。






どうして・・・・・・ここ••••なの•••••





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