空の青はどこまでも蒼く
「亜美、倒れたんだよっ!!!」


亜美が倒れた?
日に日に痩せていくその身体を心配はしていたけど、そこまで追い詰められているとは思ってはいなかった。


「どうして・・・・・?」
「もう、何週間もろくな食事してなかったって。精神的にかなり参ってたって、医者がそう言ってた。」
「どうしてそれを、松下さんが知ってるんですか?」
「私の目の前で、倒れたのよ。」
「会社で倒れたってことですか?」
「そうよ!!屋上で、倒れたの!」



あの日だ。
俺が無常にも亜美に背中を向けて、他の女と屋上に行った日だ。


「亜美、どこの病院に居るんですか?」
「あなたには教えない。」
「教えてください、松下さん。お願いします。」
「山野君には教えられない。亜美を手酷く弄んどいて、よくそんなことが言えるわね。」
「お願いします・・・お願い・・します・・・」


俺は松下さんに縋るように、お願いした。


「亜美の入院先は教えられない。けど、あなた達に協力はしてあげる。」
「どういう・・・?」
「今日の晩、空けておきなさい。亜美と行ったバー覚えてるでしょ。あそこに7時。遅れないでね。」



松下さんはそう言って俺の前から颯爽と帰って行った。



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